ちょいデキ!

ちょいデキ! (文春新書)

ちょいデキ! (文春新書)

北斗神拳より太極拳。超人の如き仕事術ではなく、ちょっとだけできる人になる。そして、ちょっとだけできるを積み重ねてゆくことで、常人は、超人に近づける。


社会的には十分に成功している人のはずだが、文体が非常に丁寧で、偉ぶるところが一切無く非常に好印象。
なによりも「お金」というものに対する考え方が素晴らしい。

10年後の目標を立てるなんて無理だから、5分後の目標を立てよう。*1

なんていうまさに「ちょいデキ」に相応しいような仕事術は多い。


しかしその中にも、

事実を事実として、五感で客観的に受け止めよう。*2

というような、簡単にできそうでありつつも意外に難しく、しかし非常に本質を捉えた「ちょいデキ」技も存在する。


全体を通じて思ったのが、仕事術云々よりも、著者の人柄の良さと、サイボウズという会社の経営理念の素晴らしさ。本一冊読んだだけで、一人の人間として好きになってしまった。


今更グループウェアなんて売っててこれからやっていけるのかよ、というようなことを思っていたが、ここが「売っているもの」はグループウェアではないんですね。商売とはなにかというものを考えさせられました。

*1:意訳

*2:意訳